「人が来る」ビジネス構造の基礎づくり

レポート 熟考

「人が来る」ビジネス構造の基礎づくり

B2Cビジネスは大きく二通りに分けられるのではないか。それは、「人を呼ぶ」か、「物を出す」かの二通り。平日のほとんどを出張するワークスタイルに変わってふと考えたことがこのエントリのきっかけです。

今、私は日本全国あらゆるところに伺わせて頂く機会を得て、伺わせて頂いた方からすると「来ている」わけですね。今回は「人が来る・呼ぶ」方を考えてみたいと思いますので、まずはその整理からはじめたいと思います。
 
 

 
 
 ・ お店に「地域」から人を呼び、お店から「地域」にモノを出す。
 ・ 福岡に「東京」から人を呼び、福岡から「東京」にモノを出す。
 ・ 日本に「世界」から人を呼び、日本から「世界」にモノを出す。
 
 
モノ(サービス)を出す方は例えば通信販売だったり、百貨店やスーパーなどの流通に出したりといった事が考えられますね。逆に人を呼ぶ方は途中の交通手段や宿泊施設などなどの要素も複雑に絡んできますが一旦横に置きます。

過疎化、人口集中などの地方が抱える問題がある一方で、東京にはモノや人がが溢れかえっています。インターネットの普及により日本全国のいろんなモノを買いやすい環境も整って来ました。

福岡の人が上京する。そんな事も含めてモノ(サービス)が外に出る道筋が年々充実してきているのは確かなのではないでしょうか。今回はその逆、「人が来る」方について思考を進めてみたいと思います。
 
 
 
以前書いた「達成感と時間間隔の演出」に当てはめて考えてみますと、「人が来る」時に「距離が長くなればなるほどハードルは上がり、時間がかかればかかるほどハードルは上がる。」ということになりますでしょうか。
 
 

 
 
逆に言うと、そのハードルを超えた時、「没頭」でき、私も日本全国に出張する中で強く感じる感情が沸き起こってきます。「せっかくここまで来たんだから○○しよう。○○も食べよう。」とね。

これを私は「わざわざパワー」と言っているのですが、出張でしょっちゅう遠方に行く私でさえ、このパワーを抑えこむのは至難の業です。(笑)
 
 
 
しかし、最初に書いた通り何時間もの大変な移動を経て、見知らぬ土地に行くというハードルは高いです。このハードルを乗り越えて行かないと「わざわざパワー」は発揮されません。

ハードルを超えるきっかけを得る為に、こんなことを考えてみてはいかがでしょうか。(参照:「自分にとっての日常は、誰かにとっての非日常かもしれない。」)そんな視点。
 
 

 
 
のどかな田園風景に暮らすAさん。「何か新しいことないかなぁ。。」もう、代わり映えのない田んぼの風景に飽き飽きしています。

都会のコンクリートジャングルに暮らすBさん。毎日がどこかせわしなく、せかせかと過ごす日々に少し疲れています。「どこか時間がゆっくり流れる場所でのんびりしたい。。」

AさんにとってのBさん、BさんにとってのAさんの日常は、お互いにとっての非日常なんですね。だから、何にもない風景こそ、求めている人もいる。この視点を念頭に考えてみると良いかもしれません。
 
 
 
固定概念を外してみるということも大切なことですね。次に、世の中に商品が出ていくまでを、5つのステップに区切って整理してみました。
 
 

 
 
まずは固定概念を外した時にどんな「世界観」を実現するのかという「コンセプト・デザイン」からはじまります。何を実現したくて、その根幹となる想いが込められた、シンプルな言葉にまとめていきます。例えば「癒しとくつろぎの温泉郷」など。(※例えば黒川温泉の例)

参考書) 黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則

 
 
コンセプトが出来たらそれに徹底的にこだわった「プロダクト・デザイン」です。最初に決めた世界観をどうすれば表現したり実現できるのかを考えます。もしこの段階でもし違和感を感じたり、コンセプトと違ったものになってきたら、「コンセプト・デザイン」に立ち戻って考えなおした方が良いですね。

その次は「情報流通デザイン」に入ります。実際に物流が始まってしまうと修正が難しくなりますので、その前の段階でコンセプトに従いどんな情報を、どんな言葉や表現で、どんな手段で、どこに流すのかをデザインします。

情報流通がデザインされている状態であればどこにモノを流通させたいのか、「物流通デザイン」ができてくると思います。物流に対しての実際の実行プランに無理や無駄が生じないよう細かく組んでいきます。

最後に、買いたいと思ってもらえるよう「どんな風に見られたいか・捉えて欲しいか・発見されたいか」などをデザインした情報流通に乗せて表現した「ブランディング」と、買う一歩手前に最後のひと押しとする具体的な販売方法や販売促進方法などの「セリング」はセットで考え実行します。
 
 
 
最後に、「また来たくなる理由」を作ることについて考えてみます。何かのヒット商品だったり、ブームが作れたとしても、ブームはいづれ忘れ去られていきます。ヒット商品やブームをつくることも良い手段の一つですが、それだけじゃないものを用意する。

一つのヒット商品があったとして、それでたくさんの人が訪れる。でも、その時に横柄な接客だったり、手入れの行き届いていない庭や、整理整頓されていないゴミゴミした店内だったりするとガッカリしてしまいますよね。

人や佇まい、モノや空間に至るまでの心配り「おもてなし」全てが揃って初めて「(モノも良い上に)あぁ来て良かったな」と感じられるのが人。それはきっと、多くの人が心がけなければならない、とても地道なことの積み重ねで大変な努力が必要になります。

また、一つのお店だけではなくもう少し大きく地域で考えてみると、観光スポットや一つの商品はそれぞれが一つの“コンテンツ”であり、一つひとつのコンテンツとコンテンツを繋げていくと、一つの大きなワールド(世界・世界観)として見えてくる。(コンセプト・デザイン)

自分たちだけの事を考えた「点」ではなく、みんなでつくりあげる「面」で考え、その点を面に繋ぐのは“語るべき”物語(コンセプト・デザイン)であり、それがカスタマーに受け入れられたならば、“語られる”物語になる。

全てが良くって、それが「また来る理由」になる時もあるし、一人ひとりから、お店単位、地域単位と広げるほどに一回で全てを見て回れなくなり、「もっとあるよ」「まだあるよ」「次はあれしよう」と「また来る理由」になる。

「いつ来てもいいね」と感じられる為には、関わる人や物理的なものが大きくなればなるほど難しくなり、大変な努力が必要になります。ただ、難しいことが増えていく分、まとまった時のパワーは強さを増していき、人はまた来たくなる。
 
 
日本全国で考えただけでライバルは無数に存在しているのに、今の時代はそれが世界で見てさらに無限のライバルがいる。これからの時代を乗り越える基礎づくりに役立てられれば幸いです。



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Tetsunori Yuasa

Tetsunori Yuasa

自己紹介: 1983年9月8日 福岡県生まれ・名古屋在住。住んだことがあるのは福岡・大阪・東京・ハノイ。すきなことは、たび / うたう / ねる / みる / よむこと。世界旅行記はこちら。フリーでお仕事のご依頼はこちら。連絡先はこちら [email protected]