無責任コラボレーション

熟考

無責任コラボレーション

宇宙は果てしなく広大なものらしい。どれくらいかというと、光の速さで100万年かかっても1周出来ないほどだ。もはや広大すぎて「宇宙」という言葉自体が抽象的に感じられる。もしかすると宇宙というのは「星」かもしれないし「地球」というのは宇宙という「星」に存在する「大陸」なのかもしれない。要は、大きすぎてよくわからないのだ。

そうか、モノでもコトでも、大きくなりすぎるとよくわからなくなってしまう事もあるだろう。

もう半年かもう少し前くらいに「ユッケを食べて食中毒になり男児が死亡する」という事件が起こった。もちろん、その事について今更何かを言いたいわけではない。結果として「私たちはユッケが食べられなくなった」という事実がなぜ生まれたのか、それを考えてみたいと思う。

最初、事件が起こった。警察もいろいろと調べた。それをテレビが連日報道した。人々は高い関心を持ってこの事件を見守った。法整備や規制が無い事に気づいた。行政は厳しい規制を設けた。そうしてユッケは食べられなくなった。この中でいくと、コトが大きくなったのは言うまでもなくテレビの影響で、またテレビが連日報道するという事は視聴率がそれを裏付けていたんだろう。つまりたくさんの人がよく見ていたんだ。

 テレビ局 : 視聴率が取れるのであらゆる角度から連日報道
 視聴者  : 連日暴かれる新情報に強い関心

こういう事象はしばしば起こる。テレビは「視聴率=視聴者の支持」があるから連日報道するし、視聴者は興味があり報道されているからただ「見た」だけなんだ。このコラボレーションによりコトはどんどん大きくなっていった。ひとしきり大きくなった頃、一つの出口が見つかる。「不十分な法整備」だ。大きくなり過ぎた風船が飛んで行く先が見つかったんだね。

この一連のコトに対して「アンカー」となってしまった行政は、この大きな風船をどうにかしなければならない。そう、厳しい法整備をすることだ。ちなみに私はユッケが大好きだったのだけれど、一つ楽しみが減ってちょっと寂しい。同じように感じる人が多いとするならば、この結果はいったい誰にとって嬉しい事だったんだろうか。

テレビは「報道」と「視聴率」という両方の目的が達成されるからどんどん取り上げて行ったんだろうし、それをよしとした視聴者もまた視聴率として返して行った。もちろん、誰が悪いなんてことはない。ただ、風船を膨らまし続けるに十分な程の「無責任なコラボレーション」により、巨大な風船は出来上がった。これを「世論」とでもいうのかな。

この大きな風船を受け取る「アンカー」は、並大抵の精神力じゃ受けきれないだろう。なんてったって、相手は無責任に言っているだけなのだから、言われるがままだ。これには冷静にコトを分析し的を得た意見を言う、「アンカー」を強く支え続ける「責任コラボレーション」が必要だろうと、そう思ったんだ。

さて、わざわざずいぶんと昔の話しを持ち出したのはここらあたりの事が書きたかったからなのだけれど、2011年も本当にいろんな事が起こった。また何も起こらなくて困るという事もあるだろう。話が大きくなり過ぎている事もたくさんあったと思う。2012年もきっと、話が大きくなり過ぎてよくわからない事がたくさん起こるだろう。

大きくなり過ぎた風船を抱えて「アンカー」になってしまう人もたくさんでるだろう。「アンカー」は辛い。「アンカー」も辛いが、「アンカーを支える人」も辛いだろう。あなたは、私は、2012年、無責任コラボレーションで「風船を大きく膨らませる人」と責任コラボレーションで「アンカーを支える人」どちらになりたいですか?ということ。

よくわからない大きな出来事というのは、社会でも身の回りでも起こる時は起こる。そういう「いざ」という時の為の思考訓練をしておくと、大好きなユッケが食べられなくなる、みたいな事態を避けることが出来て、ちょっぴり自由が持続したりちょっぴりハッピーになれるかもしれないね。



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Tetsunori Yuasa

Tetsunori Yuasa

自己紹介: 1983年9月8日 福岡県生まれ・名古屋在住。住んだことがあるのは福岡・大阪・東京・ハノイ。すきなことは、たび / うたう / ねる / みる / よむこと。世界旅行記はこちら。フリーでお仕事のご依頼はこちら。連絡先はこちら [email protected]

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