急速にフラット化する世界

熟考

急速にフラット化する世界

赤道直下の地域は相当暑いらしい。地球は、一番熱くなる赤道直下あたりを冷やすために「台風」を生み出して、少しでもその熱気が分散するようなシステムを働かせている。「熱気」というのは、地球でも、ビジネスでも、遊びにだってあるけれど、集中と分散を繰り返して行くんだろう。

「急速に」フラット化する世界、と書いたのは「アメリカのデフォルト(債務不履行)問題」の事を指して、その前後について書いてみる。

ここ最近の世界の関心事は、8月2日にアメリカがデフォルト(債務不履行)するのか、という事だった。結果的にそれは回避されたのだけれど、その回避の仕方を見ていると、「急速に」変わらざるを得ないのかもしれない。

アメリカがデフォルトを回避する為に取った施策は、「借金の上限を増やしましょう法案」を可決する事だった。その代わりに野党が要求したのが「財政改善(支出を減らしましょう)」という事。

借金の上限は増えた。しかし、これまで通りの借金を続けて行くと、1年〜遅くとも2年以内にまたデフォルトの危機が訪れる。というのは誰にでも分かる簡単な計算だった。そこで、「財政改善」というわけですね。

しかし「財政改善=支出削減」というのは何を意味するのか。リーマンショックに端を発した経済危機後、アメリカはどんどん国として支出をして、アメリカ経済を支えてきた。これを削減するのだから、当然景気は悪化する。支出削減と、景気悪化の悪循環のはじまり。そして次第に将棋で言うところの「詰み」の状態に近づいて行く。

世界は、「もしかしたら、アメリカがとんでもない奥の手を持っているかもしれない」と考えていたかもしれない。しかし、8月2日に出てきたデフォルト回避施策が上記であった。そして、その直後から強まる「世界同時株安」。(と、超円高)エコバブルでアメリカが持ち直す、というシナリオも考えられなくはないが、あと1年〜2年でそこまで持って行けるかは疑問も残る。

アメリカの没落が、目に見える形で始まった。今後考えられる最悪の事態は「ドルの大暴落」そして「ハイパーインフレ」。そんな今、日本はどうなっているだろう。

日本は、3.11の大地震と、大津波で大打撃を受けている。復興需要も考えられるが、それよりも、企業の動きが気になった。生産拠点を日本国内に集中させていると、何かが起こった際に製造出来なくなり、危機的状況に陥る。そこで、「海外に生産拠点を設ける」日本企業が増えている。

もしくは、「既に海外で生産されている商品をOEM提供」したりという事。これは震災とは関係ないかもしれないが、イオンは韓国で生産されたビールを国内でPBとして格安提供はじめる、という記事も最近出ていた。

要は、「日本企業は海外へ出て行き」、「海外製品を日本へ輸入する」という流れが出来始めているという事。これをシンプルに捉えると、雇用が減り、技術が漏洩する。という、これまた一昔前から問題視されている事が、より目に見える形で進んでいる。

中国はどうだろうか。既に世界の工場となった中国。今現在、中国が世界の工場である事は間違いない。しかし、ユニクロは既に生産拠点を「アフリカ」へシフトし始めている。ナイキはベトナムの生産拠点の方が中国よりも大きくなってきている。

つい、ここ10年、いや、5年以内の話しだ。中国が世界の工場になる、と言っていたのは。まさしく、「急速に」世界は動いている感じがする。2010年代は中国の時代かもしれないが、2020年代はきっと違う国の時代になるのだろう。

「国」の話しは一旦置いておいて、日本のとある産業について書いてみたいと思う。ゲーム業界だ。先日、任天堂が「ニンテンドー 3DS」を1万円も大幅に値下げするというニュースが出た。コナミの今年4−6月の家庭用ゲーム機の売上は約77億円だったらしいが、ソーシャルゲーム向けの売上は約78億円で、逆転したらしい。

一方で、非常に高い収益性で超急激な成長を遂げているGREEやDeNA(mobage)は国内でだいたい2,500万人〜3,000万人の登録ユーザーを抱え、積極的に世界に打って出ている。GREEはアメリカのOpenFeintを買収している為、世界のユーザーは約1億3千万人の届こうとしている。DeNA(mobage)は先日米AT&Tとの業務提携を発表していた。

家庭用ゲーム機というのは、参入するにも大きなハードルがあった。ハリウッド並みのコストを使って制作したタイトルでも大コケする可能性もある。遊ぶユーザーとしても、数千円するソフトを購入したけれど、思ったほどおもしろくてガッカリ。なんて事もよくある経験だろう。

そこで登場したのがソーシャルゲームというものだ。開発コストも、開発期間も短くてすむ。人気が出れば、どんどん機能追加して良いものに仕上げて行く事ができる。遊ぶユーザーとしても、最初は無料なのでとっつきやすい。面白いと思えば課金すればもっと自由度高く遊べる。

こういった点などで、ソーシャルゲームは急速に成長し、それがゆえに、急速に競争が激化していった。既にソーシャルゲームはレッドオーシャンである、という言葉まで出ているほどだ。これもまた、「急速に」変化している。

「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などの超人気タイトルを持つスクエニはどうだろうか。強力な コンテンツを持つと強い。ストロングスタイルよろしくだが、しかしどうだろう。やたらと多い「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」のリメイク版がズラリと並び、ビックタイトルはと言えば、その続編だ。

「過去の資産」に支えられている、と第三者が適当に言ってみればその通りなのかもしれない。「過去の資産」に支えられている業界(企業)か、、それは他にもありそうだ。

たまに、「テレビはこれからどうなんるですか?」という質問を受ける事がある。答えから書くと、「相対的に影響力はだんだん低下していくだろう」という返事をしている。

一つは、先に記載したような、「日本企業が海外へ出て」、「海外製品が日本で売られる」というところもあるだろう。さらに少子高齢化で日本の市場が大きく変化している。スポンサーが付きにくくなる、もしくは、テレビCMの金額が下がれば下がるほど、クオリティの高い番組提供が難しくなる、という事もあるだろう。

一方で、テレビの視聴者からすれば、先に記載したようなゲームだったり、仕事をしたり、映画を見たり旅行したり、飲みに出かけたり、YouTubeで動画を見たりブログを読んだり。全ての人間には等しく1日24時間しか時間が無いなかで、面白い事は世の中にありあふれているからだ。相対的にテレビを見る時間が短くなる要素は多分にある。

逆に、時間が多いシニア層はよりテレビを見る時間が長くなっていく可能性はある。その傾向は、既にあるようだが。だとすると、テレビがいづれセグメントメディアになっていく、という事もあるかもしれない。

また既に、リーマンショック以降の広告差し控えが一番分かりやすいきっかけかもしれないが、一つの番組にかけられる予算が減少している、というのはよく聞く話しだ。その結果かどうかは知らないが、再放送番組が増え、お笑い芸人がネタを消費して行くバラエティ番組も増えている。これもまた、「過去の資産」に支えられていると言えなくもない。

ゲーム業界を変えた、ソーシャルゲーム業界だが、テレビ業界を変えるのが、ソーシャルテレビかどうかは知る由もないが、ニコニコ動画やUstreamなどのライブかつ、横のつながりの強いものもだんだんと熱を帯びている。そうなりえる可能性がゼロではないだろう。

ちなみに、ここまで書いてきたが、全ては自分の記憶によるものなので、正確な情報はちゃんと調べた方が良いかもしれない。すごく浅い部分しか切り取って書いていないが、広く捉えてみるというチャレンジをしてみた。

急速に、世界はフラット化している。

あまりにも熱い場所が出来ると、それを冷やす作用が起きて、また別の場所が熱を帯びる。それは遠い昔から繰り返されてきた「歴史」なのかもしれないけれど、そのスピードが異常に早まってきている、というのが現代社会の捉え方の一つなのかもしれない。

そんな現代社会を生き抜くヒントは、一昔前の「村社会」にあると考えている。しかも「現代版村社会」とでも言うもの。キーワードは「シェア」にある。難しく、先行き不透明、重苦しさも感じる空気感の中をハッピーに生き抜く術とでも言うかもしれない。

例えば、日本人の平均給料はバブル崩壊後「ずーっと下がり続けている」んだけれど、その中でも、今、もしくは今以上の生活をハッピーに送って行く方法、とでも書いてみる。

とてもシンプルな話しだ。例えば「衣食住」で、自分が「シェア」しても良いというものを考えてみるといい。「服」を誰かとシェアしても良いというお洒落さんが集う「服シェア型シェアハウス」。「食」の部分だけを誰かとシェア、楽しい食卓に変える「食シェア型シェアハウス」。「住」の例えば、風呂とかトイレだとかだけを誰かとシェアしてみる「シェアハウス」だったり。

「共同住宅」というとなんだかアレルギーを持つ人もいるかもしれない。けれど、一番分かりやすいのは、近所に住む人たちで楽しい食卓を囲むようにしませんか。と、少しアプローチを変えてみると、すごくお洒落で、かつローコスト(エコでもある)になる。

こういった、テーマ別の「住」というのは、これからのトレンドにもなると思うし、「シェア」する為には、物理的な距離は近い方がいい。ここまで書いてみると思い出すのが「サザエさん」だったり「ちびまる子ちゃん」の世界だ。

「サザエさん」だろうと、昔の家族構成だろと、思い返してみると、近所付き合いや家族付き合い、親戚付き合い、というものが、現代風に蘇るだけ。

家族と遠く離れて暮らす人も多いだろう。それを、いろんなテーマで「再編集」し、「再結集」、「シェア」出来る部分を見出して行く。軸となるのは、「共感」できる部分だったりするだろう。今よりもずっと低いコストで、今よりもずっとハッピーな暮らしが出来る。

フラット化だろうと、なんだろうと、変化は怖いかもしれない。でも、その「変化」を違った角度から見てみると、すごくハッピーな明日が待ってるかもね。



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Tetsunori Yuasa

Tetsunori Yuasa

自己紹介: 1983年9月8日 福岡県生まれ・名古屋在住。住んだことがあるのは福岡・大阪・東京・ハノイ。すきなことは、たび / うたう / ねる / みる / よむこと。世界旅行記はこちら。フリーでお仕事のご依頼はこちら。連絡先はこちら [email protected]

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