本書の書かれているものには、「白」の時もあれば、「黒」の時もある。でも、その
"曖昧さ"の中間に真理があると思うんですよね。いや、非常に興味深く、面白い本でした。
評価:★★★★★ (amazonの評価:★★★★☆)
もしも、この世の中に「完璧なるテクノロジー」というものがあるとすれば、それを超えるものは「人」だと思うんですよね。当たり前かもしれないけれど、だからこそ、日々、磨く。
本書を読んで思い出したのは「剣道」。試合中、相手が竹刀を振り上げようとした時、この後肘を曲げてながら頭の上に振りかざし、まっすぐに面を打ってきそうだから、こっちは・・・うんたら。
なんて、試合中に考えるわけはないですよね。コンマ何秒かの間に瞬時に判断して、防御したり、先手を打って打ち込んだりする。そんな第1感を訓練により鍛える。そんな内容もありました。
この本は、「最初の2秒」を「なんとなく」正しくするための本と言えるかも。それでは、さくっとメモで振り返ってみます。(テスト問題みたいのもあって分かりやすかった)
・ 輪切りの力
たとえば、夫婦の他愛も無い会話。それを見て(聞いて)その夫婦が10年後離婚するかを考えるとする。そのとき、いくつかの要素を元に、会話を"輪切り"にし、兆候を掴み予測する。
日常の膨大にあふれる、ありとあらゆる情報に振り回されず、ポイントを要素ごとに分け、輪切りにすることで、瞬時に判断する。不思議なことに、何日もかけて膨大な分析をした結果と大差無かった。
・ 無意識の扉の奥
行動を促す「プライミング」実験。簡単なテストをしてみる。テスト用紙には単語が並んでおり、その単語を並べ替えて文章にするというものだ。
テストは2パターンあり、テストAには「強引」「無礼」などの言葉が並び、テストBには「我慢強く」「礼儀正しい」といった言葉が並んでいる。
テストを終えて、先生に話しかけにいくが、先生は他の生徒と会話中だ・・・
テスト後、何分で先生と他の生徒の会話を遮るかを図ったもの。驚いたことに、テストAを受けた生徒は5分で会話を遮り、テストBを受けた生徒は10分経っても遮らなかった。
・ 見た目の罠
無意識(心理学では潜在意識)の連想が人の考えや行動に果たす役割を研究するためのテスト、「潜在連想テスト」これは、自分でやってみて面白かった。いかに、自分の中に固定概念が出来上がっているかを思い知る。
第一印象を操作する。第一印象は経験と環境から生まれる。つまり、第一印象を構成する経験を変えれば、第一印象を生む輪切りの方法を変えられるのだ。
たとえば、無意識下で白人が黒人に対して抱いている第一印象を変えたいなら、生活を変えて、常にマイノリティと接し、彼らの文化の良い面に親しむ、など。
・ 瞬時の判断力 (この章が一番おもしろかった)
即興喜劇では、台本や筋書きも無しに、役者がとっさにきわめて高度な判断を下す。それで、見ている者は思わず引き込まれてしまう。
即興芝居を可能にしているルールのうち、特に重要なのは「同意」だ。物語やユーモアを創作する場合、登場人物がその場で起きたことを全て受け入れると、やりやすく、話しが広がりやすい。(これって、ブレストと一緒かな)
無意識の認知。バスに乗った時に隣に座っていた人の顔を思い浮かべる。警察で面通しして欲しいと言われたら出来るだろうか。思い浮かべると、ふっとその顔が出てくる。その時にその人を見れば答えられるかもしれない。
しかし、警察で、その人の特徴、その時アクセサリーは付けていたか、髪の色はなど、そう言われてみればみるほど、ちゃんと言い当てられなくなる。このような現象を「言語による書き換え」と言う。
「情報過多が判断の邪魔をする」。何かの結論を出すとき、不安に思ってしまうから、より多くの情報を集め、リスクヘッジを最大限にしてしまう。それが結果的に悪い方向に向かうこともある。という話し
瞬時に判断を下せるのは、情報が少ないからだ。etc...
非常に、興味深く、ただ、やっぱり理解の難しい本だけに、思い出しつつ、一つずつ実践しなくちゃ、だなと感じた。なんとなく、第1感は正しい、と感じる。日々、努力。
第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (翻訳)
